ShibaDog

自動車メーカーエンジニアのブログ

内燃機関はもう終わりなのか.

ShibaDogです.

 

 内燃機関はもう終わりなのか?

以前,モビリティの電動化は先進的なのか. - ShibaDog にも書きましたが, まだまだ電気自動車もデメリットが多く,代替え手段という枠は超えられていません,というか電動化技術だけでは越えられません.

 

現状はまだまだ内燃機関車の新型車が出ています,例えば最近ではMazdaがSKYACTIVE-XにHCCIという燃焼技術を適用し,エンジン効率をさらに高めると発表しました.

 

マツダが世紀の大発明!HCCIの新エンジン「SKYACTIV-X」を2018年度に新型アクセラから投入 - newcars.jp(ニューカーズ)

 

各自動車メーカーに電動化という作られた時代の流れに右往左往している中,ここしかないといわんばかりのタイミングで発表しました.他自動車メーカーの事情から見ればMazdaだから出来たと言えばそれまでですが,Mazdaのこういう一貫した開発戦略は結果的に見ればただただ素晴らしい.

 

あとAudiが2018中にディーゼルエンジンを日本市場に投入予定.

 

独アウディがディーゼル車 40年ぶりに日本投入 :日本経済新聞

 

欧州もトレンドはすっかり電動化ですが,しっかりエンジン開発も続けているとみて取れます.日本では他国に対して内燃機関に対する厳しい規制がまだ無いところで,しっかり市場をつかみに来ています.

 

電動化は先進的なのか?

結局のところ世間は電動化と騒いでいますが,こうやって内燃機関の技術進化を淡々と進めていて,開発が止まらず進むということはまだまだ技術進化は進んでいくと思います.

 

また,結構前の記事ですが,MazdaがSKYACTIVEの普及活動の一環として,Well2Wheel(エネルギ生成からホイール動力伝達まで)を提唱していますが,各国のエネルギ事情や需要を踏まえると必ずしも電気自動車が経済的であったり環境に良いというわけではありません.

 

仮にすべての車を電動化した場合,電力需要は莫大に増え,当然現状の発電所だけでは足りないので,発電所を増設し発電量を増やさないといけませんが,それには初期投資が伴い,その投資は基本的には電力会社が行うため,結局エンドユーザーへ電気代上昇として返ってくる可能性があるわけです.

 

電気よりエンジン マツダが挑むエコカー戦略 :日本経済新聞

 

 

なので,やはり電動化は一長一短であり,マクロ的にみれば地球上で発電しうるエネルギバランスが重要であって,そのエネルギバランスが崩れれば需要が変化し,やはり内燃機関車あるいはそれを動力にしたモビリティは一定数必要だ,ということになるはずです.

 

繰り返しになりますが,ランニングコストは経済的だと思い電気自動車にしたは良いものの,電気自動車の普及に伴い電力需要増加からランニングコストが増加してしまって,初期投資を回収できなかった,という可能性は十分あるので,そういう考えであればそういったリスクも踏まえる必要があるでしょう.

 

まあちょっとポジショントーク気味ですが,とにかく経済的な先進的な車は動力の電動化というわけではありません.

 

 

じゃあ何がどうなれば先進的な車になるのかですが,「携帯からスマホに進化したが,みんなそこまでスマホの機能を使い切れていないけど,みんなスマホを使う」がもしかしたらモビリティにも当てはまるのかなと思っていて,次回はそれを書いてみたいと思います.