ShibaDog

自動車メーカーエンジニアのブログ

自動車ローンの仕組みがちょっと変わる.

ShibaDogです.

 

自動車ローンの仕組みが変わる

これを始めて知ったとき,Iot技術はまさにこういうことに使われるべきだと感じました.

response.jp

 

昨年の東京モーターショーで,スタートアップコンテストなるものが行われていて,そこで出ていた事業が導入されました.

 

日本にいると体感としては金額を選べば自動車ローンを組めないなんてそうそうないだろうと感じる人が多いと思いますけど,この仕組みのきっかけは海外の自動車ローン事情にあるそうで,海外(たしかアジア系だった気が)では自動車ローンを組めない,もしくは月々のローンを払いきれない,ということが結構頻繁だそうです.

 

下のリンクにもある様に日本でも(総ローン額とかの影響も含めて)自動車を購入したい人のうち数%はローンを組めないのが実情です.

 

Global Mobility Service

 

 Iotデバイスと支払い状況を連携

仕組みを簡単に説明すると,このサービスを使って購入する車に通信デバイスを搭載して購入者の与信情報すなわち支払い履歴と紐付けし,支払いが滞った場合,管理システムから搭載している通信デバイスへ情報を送り,通信デバイスと車両コントロールユニットへが連携しエンジンの再始動を不可にするといった仕組みです.

 

支払いが完了次第また通常通り車が使えるようになります.そして支払い完全に滞った場合,始動不能となった車の所在は搭載デバイスのGPSから特定できるので,ある程度の負債の回収が可能になる,と言った内容です.

 

  

Global Mobility Service|IoT技術

 

与信については僕も詳しく調べていないのでざっくりですけど,例え立派な経営者であろうと個人の信用などよっぽど資産が無い限りたかがしれて,結局のところ属している企業の信用に依存している場合が多いです,なのでこの仕組みは負債の回収率をIot技術によってあげられることを前提に信用レベルを下げられる,といったブレークスルーです.(すいません,従来ローンの場合どういった回収方法があるか知りません)

 

まあでもネガティブ面でいえば,利率が年12%ってクレジットローンに匹敵するし,仮に人気の少ない山奥や,夏冬にいきなり止められた日には(すべては個人の責任だという風潮がなりたっていない日本では)死活問題になり兼ねなくて,日本ではどう受け入れられるのか?といったところがありますね.

 

ちなみに建設重機では既にやられている仕組みでもあります.

 

しかしながら前向きに捉えると,今まで買えなかった人が買えるようになる,出来なかった事が出来るようになる,技術的には特に新しいわけではないですけど,新たな仕組みによって利便性が増えるということは良いことだと思います.

 

この仕組みで製品,サービスの幅が広がる

で,これは色んな仕組みでも考えられて,例えばテスラでは購入時に自動運転システムを追加オプションで販売していますが,例えば今日1日だけ自動運転にしたいとなった場合,課金すれば1日限定の自動運転が出来る,といったことも出来ます.

 

イライラした時加速感を味わいたい(制限速度は守ってね)という時も,動力の出力上限を開放する,といった事も出来ます.

 

昨今のソシャゲーの課金システムに嫌悪感を感じられているかもしれませんけど,従来では購入状態からのアップグレードはほぼ出来ない訳で,ソフト上のアップグレードをリアルタイムで出来るというだけで,車としての利便性が色々広がっていくというのも事実です.

 

 

こういった類のものがこれからどんどん増えていくのでしょうか,割と楽しみです.