「エンジニア」というのは何なのだろうか.
ShibaDogです.
なんなのだろうか,エンジニアと言うのは.
今僕の仕事は,世間でいうところのエンジニアです.しかしながら,名前こそ格好良さそうだけれど,そんなに晴れやかな仕事では無い,と感じています.
この記事を見てなんだか,少し共感していまいました.いや,共感だなんてこの人に対して失礼な事ですが,正直文章を読んで,そう感じました.
僕は1度だけ,学会で聴講した事があったので見かけたことがありますが,正直,どことなく悲壮感が溢れ出していました.失礼ですけど,見てそう感じました.
だけど,Skyactiveを世に送り出しこれからの新しい内燃機関を送り出そうとしている.
当時の業界にとっては結構な衝撃だった,製品化した技術もモデルベース開発という実現の難しい開発アプローチも今思えば当たり前なのかもしれないけど,愚直なのかもしれないけど,皆がやりきれなかったところを,最後までやり切ってSkyactiveを送り出した.
話が変わりますけど,僕は今は先行技術開発に携わっていますが,その前の仕事は,記事にもある様に量産製品の商品開発をやっていました.
商品開発を端的に言えば,膨大なパラメータから最善解を求め何かを決める,が主題です.例えば技術がどんなに優れていたとしても,コストやそれ以外の要因の何かが目標に対して劣っていればダメだし,各所の政治的な側面を考慮する必要もある,所謂ホワイトカラーです.
僕ね,大学を出ていないし,転職もしていなくて,世間というものをまったく知らなかったので,それが普通でした.
だからそういう仕事が当たり前だと思って邁進していました.当然,仕事ぶりに対して評価を付けられるし,同年代の同僚や,僕で言えば学歴でいうと劣っていたので,大卒以上に対しては敵意をむき出しで向かっていました.
今思えばなんて滑稽なんだ,なんて振り返れますが,当時はやっていた仕事が自分の能力では一杯一杯だと感じていたので,とにかく良くも悪くも自分のやり方で身を振ってその仕事をこなしていました.
評価は良かったんですよ,自分で言うのもなんだけど同世代の中でもかなり良いほうだった,だけど気づいたらすっかり歯車になっていました.ならされたのではなく,自分からなっていました,ホワイトカラーに.
いや,当時は優れたホワイトカラーになりたくて必死だったので,結果的には良いはずだったんですけど,「なんか違う」と思ってしまいました.
誤解を恐れずに言うと,限りなく黒なグレーであっても場面では白だと言わなければならないし,白であっても黒に押されグレーになっていく,みたいな事に,自分が当たり前の様に慣れてしまっていました.
あれこれ悩みに悩み,考えに考え,ふと気づいたとき,「これは自分がやっていきたい事では無い」,と感じました.
で,今の仕事に1年強前から移ってやっているわけなんですけど,もう全然よくわからない.いや,少しづつ分かっているんですけど,分かれば分かるほどまた分からなくなってくる.これまでは目の前の課題は大変でも目標が明確で道のりも予想できたので乗り切って来れました.
けど,今は選択できる道は何本もあるし,自分の能力次第でその技術や仕組みの可能性が広がるんだけど,実際に今の自分の能力を発揮しても全然自分のイメージというか理想に自分の頭や手が追い付かない.
でも,今妥協でもすればイメージしていた可能性がつぶれてしまう.この前下の記事にも書きましたが,これを繰り返していると人によりますが,僕の場合,本当にメンタルがしんどくなる.
メンタルがしんどい時にやっている事. - 自動車メーカーエンジニアのブログ
そして何より目標,ゴールまでの道のりが長いし,最近時の電動化の流れから,「世間にはもう期待されていなんじゃ?」と思ってしまうと,余計にモチベーションの維持が難しくなる,この仕事を続けて自分は本当に大丈夫か?と不安になる.
こう言う事を言うと「そんな奴が設計した製品なんて使いたくないよ」なんて言われそうですけど,他の人はどうかは知りませんが,実際僕自身は日夜そう思って仕事をしています.
先にも書きましたけど,僕大学出ていなので,致命的にいろいろな知識が足りません.言い訳ではなく,ここ1年で本当に痛感しています.
だから,日々新しい事わからない事を勉強しながら仕事をしています.自動車工学も分からなかったしプログラミングも分からなかったし制御工学も分からなかったけど,可能性を狭めたくないので勉強しています.
だから,毎日わからないことが出てきてそれを解決するのに沢山調べて沢山考えて時間をかけて日々仕事をしています.
もうこういう風に書くとエンジニアなんて本当にしんどそうですね.実際しんどいです.全然格好良くなんてない,もの凄く日々の積み重ねを愚直に,泥臭くやらなければなりません.
だけど,先の記事のエンジニアが何十年かけて光を浴びように,日々自分の信ずる何かを積み重ねなければ何にもならないし,何者にもなれない.技術だけにすがってもダメだし,特徴の無いホワイトカラーエンジニアであってもダメ.
エンジニアは良いよ!
難しいですね,だけど,やっぱり楽しいですよ,最後までやり遂げれば製品化されたりサービスになったりして,世の中の為になる.
僕が設計に携わった部品も何個かありますが,どんな部品であってもやっぱり嬉しい以外の何物でもない.
だからやっぱりエンジニアやデザイナーなどのクリエータという"何か"を作る事にもう少しかけてみたいと思います.
才能があるかわからないけど,「何かを作る」や「何者になる」は出来るかどうか知りませんけど,もう少しエンジニアは何なのかがわかるまでやってみようと思います.
エンジニアは良いよ!